43　周曰校刊『三国志演義』について
 　　　単著
　　　2011年11月
　　　『東北大学中国語学文学論集』第16号，P57-P72

周曰校刊『三国志演義』には三種類の区別がある。すなわち、甲本・乙本・丙本である。そのうち、丙本は少なくとも五種類が現存している。この五種類の丙本を比較すると、その印刷状態から、蓬左文庫蔵本の印刷が最も早く、伊達文庫蔵本がこれに次ぎ、以下、内閣文庫蔵本、中国国家図書館蔵本、台湾故宮博物院蔵本の順で印刷されたことが分かる。

書肆周曰校は新刊本を出版して後、すぐに中国国外へ輸出していた。かつ周曰校は版暦年間に活躍していた書肆である。このような状況の中、周曰校乙本の刊行年は万暦十九年で間違いない以上、甲本の刊行年も万暦十年から十五年頃と考えるべきで、嘉靖年間まで遡る必要はない。

 

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