52 周曰校刊『三国志演義』の挿図について
単著
2014年２月
『中国古典文学と挿画文化』，瀧本弘之・大塚秀高編，勉誠出版，2014年2月，P17-P32
本稿は、周曰校乙本・丙本の挿図を比較することを通して、両本の挿図の特徴を明らかにし、両本の関係について改めて考察しようとするものである。丙本は乙本の覆刻であろう。しかし単純な覆刻ではなく、丙本が編集される際に、図の簡略化が行われるなど、ある程度修正がなされている。また『大宋中興通俗演義』の国家図書館蔵本（周曰校原刊本）と国立公文書館蔵本（余象斗覆刻本）の揷図を比較した結果を考え合わせると、周曰校丙本は、もしかしたら余象斗双峰堂による乙本の覆刻なのかもしれない。